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出逢いは
億千万の皮騒ぎ

私たちがイメージする革製品の元になっている動物というと、やはりいちばん最初に思い浮かぶのは牛でしょうか。牛の皮は、革製品としてもっともよく使用される「牛革」。そういえば、私たちが食べ物としていただいている牛と、牛革になる牛は一緒なのか?と、なんとなく疑問に思っていたのですが、食肉加工の過程で生まれる副産物から牛革ができているそうです。これまた余すところなく素材になっているんですね。大判で厚く、繊維組織が比較的均一なので強度と耐久性に優れているのだとか。食べれば美味しい、素材になれば良いところがたくさん……牛さん、すごいんですね。そのほかにも、馬や鹿、豚や羊なんかもそれぞれ特徴があって革製品に活かされているようです。

さて、珍しく冒頭から真面目な内容ですが、いよいよ今回の主役「エキゾチックレザー」のお話に移りましょう。なん_だかとっても大人でオシャレな響きの言葉ですが、私はエキゾチックと聞くとどうしても続けて「ジャパァン!」と言いたくなってしまいます。エキゾチックは「異国風」という意味を持つ単語。そう、革製品に使われている皮は、先に挙げたような動物の皮だけではないのです。いくつか紹介してみましょう。

まず、改めて言われると「ああ!」となるかもしれないのがワニ。ワニ革のお財布、まさにセレブの持ち物の代表って感じがします。クロコダイル・アリゲーター・カイマンという3種類に分類され、部位によって形状や性質が異なるのだとか。お腹の部分の四角形と横っ腹の丸くて細かい鱗が独特で美しいワニ革は「肚(はら)ワニ」と呼ばれます。

そしてサメ。楯鱗(じゅんりん)と呼ばれる硬い表皮を塩酸で脱鱗処理したあと柔らかく鞣して仕上げます。頭から尻尾に向けて細かい連続した網目状に凹凸があるのが特徴で、大型になるほど網目模様が大きくなります。ざらざらとした表面が滑り止めの役割を果たすため、古くは日本刀の柄にも使われていたそうですよ。実際はエイの皮だったそうですが。サメじゃないんかい!ちなみに、このエイはエイでスティングレーと呼ばれ、小さな粒状の鱗がビーズのようにキラキラと輝いて美しいんですって。

なんだか盛り上がってきてしまいました。面白いですね、エキゾチックレザー。性質的な面でも牛革の何倍も丈夫で保ちが良いというのだから、いいことづくめですね……。そんな質の良い貴重な素材だからこそ、これらの革はワシントン条約という厳しい規制のもとで取引されており、環境保護や野生生物の生態保護活動にもつながっています。

もうちょっと調べてみたいので、次回もエキゾチックレザーのお話を。まだ、毒があったりなかったりするアイツが残っていますので……。

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