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私を靴屋に連れてって

もう10回もこのコラムを書いていることにびっくりしています、こんにちは。意外と続くものですね……いや、飽き性なんですよ、私。本当に文字通り三日坊主ってやつでして、かつて日記も何度か書いてみようと試みたことはあるのですが、続いたためしがありません。でもたぶん意気込みすぎるのがいけないんですね。兼好法師も『徒然草』のなかで「心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば」って言ってますし。ふと思ったことを何となく書いていくと、いつのまにかこんな感じの文章になっているみたいです。そんな感じで、引き続きゆるくお付き合いいただけると嬉しいです。

さて、前回の革靴からちょっとスピンオフということで、「靴選び」についてお話ししてみたいと思います。今回はGo to the “靴屋”編です。

みなさんは「靴は夕方に買うといい」という日本の風習のようなもの、聞いたことありますか?昔からよく言われてきたようですが、これは足のむくみと関係しています。朝、通勤や通学の時間帯は、まだ1日の活動が始まったばかりで足はむくんでいません。電車で立ちっぱなしになったり、営業で歩いたり、体育の授業で走ったりすると徐々に足がうっ血してむくみ始め、そのピークが夕方ごろになるため、先ほどの「夕方に買うといい」説が生まれるのです。

個人差はありますが、むくんだ時の足回りは1センチ前後大きくなるそうで、これは靴にとってはなかなかの変化。じゃあ夕方に選んだ靴がベストなのかと言われると、これまた難しいところなんです。一番大きい状態の足に合わせると、そうじゃない通常の大きさの時に“合っていない”靴を履いていることになってしまい、それはそれで足に負担をかけてしまいます。ですから、ひとりひとりが、自分が最も活動する時間帯に合わせて選ぶのがベスト、というのが最近の傾向のようです。衣服と同じで、1日のうちのほとんどの時間を一緒に過ごす靴だからこそ、きちんと選んであげたいですものね。

また、試し履きをするときはちゃんと「両足」履いて実際に「歩いてみる」ことも大切です。片足だけ履いて、店に履いてきた自分の靴とあべこべの状態でヨタヨタ店内を歩き回っている私のマネをしてはいけません。なるべく硬い床の上で、ジグザクに歩いたり後ろに下がったり、普段あまりしないような不自然な動きをしてみたときに、足の裏やかかとが圧迫されて不安定に感じないかどうかをきちんと見極めます。また、つま先立ちをしたりかかとに重心を移して、違和感がないかどうかも確かめましょう。こうすることで、より自分の足に合った靴が見つけやすくなるとのこと。ふむふむ……私も今度気にしながらやってみよう。

靴選びは細かいポイントまでご紹介しようとするといくらでも続けられてしまうので、これから定期的に箸休めとして挟んでいくことにしましょう。革のお話に戻ります。

次回は、きっとみなさん気になっているのではないでしょうか?「天然皮革」と「合成皮革」の違いに迫ります。

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