音楽の話題を出したあたりから薄々感づかれているような気もしますが、当方THE・インドア人間であります。生まれてこのかた、アウトドア的な趣味を持ったことがございません。そりゃあ山に行けば空気が美味しいって言うし、川で遊べば冷たくて気持ちいいという感覚にはなりますが、家族もやれキャンプだ海水浴だと積極的に出掛けるタイプではなかったこともあって、日焼けの原因はだいたい小学校のプール解放でした。
そうなると当然、学生時代の体育の授業以外で自主的にスポーツに取り組むようなこともなく…なんで冒頭から「ない」続きなんだ、何だか悲しくなってきた。これに関しては、父母ともにばっちりテニス経験があるにもかかわらず私はその血を全く受け継がなかったようで、おそらく球技がこの世でいちばん苦手なスポーツです。一度手から離れたボールに、どうしてああも的確にラケットを当てられるのか、未だに仕組みがわからない。でもなぜか卓球はできます。謎です。
そんな(どんな?)スポーツの世界でも、あらゆるところで革が活躍しています。唯一のスポーツ経験である体育の授業の記憶でも、頭の隅のほうから引っ張り出してみると意外に革の存在を思い出せるものです。
まずパッと浮かぶのは、野球のグラブ。学生時代はソフトボールでたびたびお世話になったなあ…しみじみ。たくさんある備品の中から自分の手になんとなく馴染みそうなグラブを探すのは結構大変でした。そんな感覚と比べるのはおこがましいのですが、スポーツ選手のグラブ選びがそれはそれは念入りにおこなわれることは、素人の私でも容易に想像できます。フィット感、重さ、動かしやすさ。どこが欠けてもベストプレーに影響が出る、選手にとっての大事な相棒。ちなみにイチロー選手のグラブ作りを担当したこともある大手メーカーの職人さんは兵庫県生まれなのだとか。むむ、また兵庫のスゴイ人を知ってしまいました。
もう一つ思い出すのは、剣道(防具と竹刀の柄の部分には、鹿の革が使われています!)。正直、鮮明なのは見た目よりもにおいです。剣道は私の通っていた学校では選択授業のうちの一つで、「1回くらいあのカッコイイ防具を身につけて戦ってみたい…!」という、そういうお年頃特有の憧れのようなものから受講したのですが、いかんせん軟弱なので、防具の重さを理由に早くも心が折れそうになりました。もっと言えば、心が折れるより先に面の重さで首が折れるんじゃないかとビクビクしてましたもん(ちょっと言い過ぎですが)。そしてこれまた学校の備品を拝借しての授業だったので、汗と血と涙が滲んでいるであろう使い込まれた防具を使っていたのですが、あの独特のにおいが何ともいえない。防具の中でも、小手の拳部分には鹿革や合皮皮革が使われているので、革は革でにおいがありますよね。もちろん汗が染みこんだむわっというにおいのせいでもあると思うのですが、革の特徴的なにおいには何か理由があったりするんでしょうか。別の回でネタにできるかもしれないな、メモメモ。
心も体も元気にしてくれるスポーツの世界にも、革の力が作用しているんですね。今度スポーツ用品店に行ったらいろいろ気にしてしまいそうです。アイテムを見たら、私も少しは運動する気になれるかな…。