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サマータイム
レザーブルース

青い空、白い雲、きらめく海、クーラーで冷え冷えのデパート館内…最後のはまあ置いておいて、夏生まれということもあって、好きな季節を聞かれたらまっ先に夏と答えます。子どもの時のようなワクワクの夏休みはないけれど、7月、8月あたりのカレンダーを目にするといまだにちょっとそわそわしてしまいます。去年の夏ってこのコラムで何書いてたっけ?と見返したところ、革靴の話を鼻息荒く繰り広げていたので、今回はあのとき話せなかった別の履き物のお話をするとしましょう。夏といえば、そう!サンダルです。

よく考えたらサンダルって、ものすごく昔から存在していますよね。某タイムスリップ銭湯漫画は古代ローマ人が主人公でしたが、ああいう布を巻いたような服を着た彫像としてもよく見かけるみなさんは、だいたい裸足か、サンダルを履いているイメージがあります。

そもそも「サンダル」の語源は、ギリシャ語で「板」を意味するSandallionだと言われており、ほかの言語を経由するうちに現在のサンダルという響きになったようです。最初のサンダルがいつどこで生まれたのかは諸説あるようで、足全体を覆わない、通気性に富んだ一般的なサンダルの形状に似た履き物は世界各地で見つかっているのだとか。ちなみに、日本でいう草履や下駄もサンダルの仲間になり得る…ということなんですよね。そう考えると、もしかしたらサンダルは革靴よりも長い歴史を持っているのかもしれません。

先ほど例に挙げた古代ローマ人が履いているようなサンダルは、グラディエーターサンダルと呼ばれます。何年か前にちょっとした流行にもなったので、耳にした方も多いのではないでしょうか。革紐を編んだような形状のこのサンダルは、古代ローマの剣闘士(Gladiator)が着用していた履き物を模しています。つまり、単なるイメージなだけでなく、本当に履いていたもの、ということになります。しかし大昔からグラディエーターサンダルと呼ばれていたわけではないようで、この名称が知れ渡るようになったのは2000年に公開された「グラディエーター」がきっかけという説もあります。ハリウッド女優が身につけて話題になり広がったことも大きな理由の一つだそうです。いやー、スターの力ってすごい。

何にせよ、やはりファッションの話となると二言めくらいには革アイテムが出てきますね。ここまで25回、ずっと革の話ばかりしてきましたがまだまだ書けることはたくさんありそうです。ファッション系の革の話題なんてたぶん序の口なんだろうな…日々、革精進します。

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