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追い人

このコラムを書いていると時々、芸大に通っていた時代に自己紹介で「靴をつくりたい」と言っていた同級生が頭に浮かび、時々「今はどうしているかなあ」と思ったりしています。服飾専門のコースに進んでしまったため途中からあまり交流がなくなってしまいましたが、確か卒業制作でも靴にまつわる作品をつくっていたはず。彼の夢が叶っていることを祈ります。

ところで、こういった靴などをつくるお仕事ーいわゆる「職人」というものには、一体どうやったらなれるのでしょうか。職人というとどうしても、あの有名な宮崎駿監督アニメのバイオリン職人を目指す少年が思い浮かびます。彼も本場の職人の元で修行をするため、遠距離恋愛する道を選んでいましたね。何度観ても素敵な映画なんですがこの歳になるとちょっとむず痒くなってきました。まあそんなことは置いておいて。

革職人を目指す道のパターンとしては、大きく分けて「皮革業界に就職する」「革の勉強ができる学校に行く」「独学」の3つがあります。最初にお伝えしておきますが、これは革に詳しくなろうと本やらインターネットやらで情報収集をしている筆者の上っ面の知識なので、本気で職人さんを目指しているみなさんは鵜呑みにしすぎないようくれぐれもご注意ください。そんな方が読んでくださっているのかはわかりませんが……。

革の会社といっても、大手メーカーや特定の革を専門に扱う会社など、得意分野はさまざま。具体的に自分が何をしたいか定まっていないと、いざ「職人になりたい!」と会社に飛び込んでもせっかくのチャンスがもったいないことに……なんていうこともあるかもしれません。全国各地には革のプロダクトについて勉強ができる専門学校があるので、まずはそこで自分のやりたいことを見つけるなど職人への第一歩を踏み出すといいかもしれませんね。ただし、先ほど書いた会社と同様に学校にも専門性があるので、通う前にはしっかり下調べをしてある程度検討をつけた方がよさそうです。ううむ、意外に早期決断が必要なんですかね。何度も言いますが、これはいち個人(しかも素人)の意見なのでご注意を!

革に限ったことではありませんが、その道を極めることってとても難しいけれど、それが好きなことであればあるほどとても幸せなことだと思うんです。革職人のように技術を磨いてそれでご飯を食べていくような方たちも、その段階までいくにはきっとものすごい努力を重ねています。それでも仕事としてやっていけるのは、好きなことでもあるからなんでしょうね。
そんな険しくも憧れの道を歩もうとしている全国の革職人の卵さんたち、ぜひ夢を叶えてくださいね!

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