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適所

肉か魚かどちらが好きかと聞かれたら、私は間違いなく肉を選びます。お魚も好きなんですけどね、鮭とか。前回までのエキゾチックレザーのくだりでお話したように、ワニ革の財布を持ち歩くような生活はしていないので、何万円もするお肉なんてもちろん食べたことないんですが、以前一度だけ良いお肉をワサビをのっけて食べたことがあるんです。いやああれは本当に美味しかった…。でもどこの部位だったか忘れてしまいました。ダメじゃん。

食べるお肉にいろんな部位があるように、どうやら革にも部位というものが存在するようです。人間の肌と同様に、きめ細かさ、艶、ハリなど、動物の革も部位によってその性質が違います。そしてこれは調べていて意外だったのですが、革って1枚ずつ取引されるんですって。繊維の方向やキズの有無など、細部にまで注意して製品に合わせた裁断をしていかないといけないので、とてもデリケートな素材だということがわかります。

さて、肝心の部位ですが、言葉だけだとイメージしにくいと思うのでイラストをご覧ください。
部位として名称があるのは、点線で分けられている7箇所。その中でもよく製品として使われるものとしては、BENDS(ベンズ)、BUTT(バット)、BELLY(ベリー)が挙げられます。

BENDS(ベンズ)、BUTT(バット)は、大判の革が必要になる製品から小物に至るまで幅広い用途があります。繊維の密度が高く、厚みがあって丈夫なため、バッグのマチの部分やベルト、靴の底に重宝されています。私がお世話になっているものばかりじゃないですか…いつもありがとうございます。BELLY(ベリー)は腹の部分。繊維密度の間隔が広く、軽くて伸びやすい部位となっています。端部は小物に使われることが多いそう。よくお店で見かけるレザー雑貨は、この部位が使われているのかもしれません。

味覚という意味以外で「おいしい」部分、あったんですね。この連載も6回目となり、いろんな革情報にアンテナを張るようになってきました。そのかいあってか、この前イベントで革に関する貴重なお話も聞くことができたのですが…それはまた別の回で。

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