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くらべ

さてこちらのコラム、最近は革製品をピックアップした記事が多かったので、久々に革という素材そのものに注目したお話をしてみましょう。べ、別にネタに困ってきたとかそういうわけじゃないですから。

ものごとには、たいてい「基準」というものが存在します。それが無かったらダメなのか?世界は均衡を崩してしまうのか?地球は滅びてしまうのか?…とまで言ってしまうとこの捻くれ野郎め!となるわけですが、無いよりはあるに越したことはありません。地球が滅びるは言い過ぎかもしれませんが、良い・悪い・適する・適さないを誰かが判断しないと、みんなが好き勝手生きる世になってしまいます。一定のルールの中で、ちょっとずつ我慢して暮らすことで、みんなが気持ちよく、暮らしたいように暮らせるバランスが取れた世界というものが生まれます。もちろんそれが全ての事例に当てはまるわけではありませんが、世の中には「基準」という大切なものさしが必要なのです。

だいぶ重い前フリになりましたが、これまでに紹介した様々な革製品の中にもきちんとした基準で定められたものがあります。その名も「日本エコレザー」。

エコ、なんだか地球に優しいにおいがしますね。日本エコレザーに該当するのは、「日本エコレザー基準(JES)」に適合し、「製品の製造・輸送・販売・再利用」までの一連のライフサイクルの中で、環境負荷を減らすことに配慮し、環境面への影響が少ないと認められる革材料です。

しかし、そんなこと言われても私たち素人の目にはこの革がJESに適合しているかなんて分からないので、「JESラベル」というものがちゃんと存在しています。認定対象は「皮膚断面繊維構造を損なわない革」に限られ、再利用する際にも革の機能を損なわないことが大前提とのこと。うーん、分かるような、分からないような。もう少し詳しく、3つの認定基準を見てみましょう。

・天然皮革であること
・排水、廃棄物処理が適正に管理された工場で製造された革であること
・臭気、化学物質(ホルムアルデヒド・重金属・PCP・禁止アゾ染料・発がん性染料の使用制限)および染色摩擦堅ろう度に関する一定の基準を満たしていること

…さらに深みにはまってしまった気がしますが、つまりは環境に悪影響を及ぼさない方法でつくられた革ということですね。はい、勉強します。ちなみに染色摩擦堅ろう度というのは、特に摩擦によって起こる革の色落ちや変色を評価する試験で得られた結果の値を指すそうです。

今回で確信しましたが、革、どこまでも深掘りできてしまいますね。調べれば調べるほど詳しくなっていくのは確かなんですが、その代わりに終わりが見えません。そしてそれはこのコラムにも延々と先があるということを示しています。よりどりみどり、革の世界はどこまでも続いているようです。

さて、次は何について書こうかな。

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