そのタイトル大丈夫か?と思ってらっしゃるそこのあなた。私もです。もし、今この文章を読んでいただけているのであれば無事だったんだなと思ってください。私はあの車で別の時間軸に飛ばされているかもしれませんが。
以前、リュックとランドセルのお話をしました。ランドセルにあんなに高貴なエピソードが隠れていたとは驚きです(読んでない方は第13回のコラムをチェック!)。鞄もすごいですよね、専門店に行くと壁という壁にギッシリ並んでいるイメージがあります。あれ、どうやって取るのかな。脚立とか使うんでしょうか。
「社会人になったらちゃんとしたバッグ、持ちたいなあと思って」と、これは友人の言葉です。ここで言う「ちゃんとしたバッグ」というのはブランド物のバッグのこと。シャネルとかコーチとかヴィトンとか…私には縁遠い世界すぎて正直知っているだけ、という感覚ですが、女の子ってやはりそういうちゃんとした鞄を持っているものなんでしょうか。そりゃあ、革というだけで高級感あふれるのに有名ブランドのバッグときたら、かっこいいなあ、あんなのを持って街を歩けたら…とは思いますけども。自分にはまだまだ、少々くたっとしてきた布のリュックがお似合いな気がします。
…革ビギナー系女子という肩書きを撤回されそうなのでさっさと本題に入りましょう。き、聞かなかったことにしてください。
「鞄の絵を描いてください」と言われたら、みなさんはどんな絵を描きますか?おそらく、かまぼこみたいな形に取っ手が生えた鞄の絵…いわゆる「ハンドバッグ」を描く方が多いのではないでしょうか。
このハンドバッグ、実は遥か昔に原型があったようなんです。どのくらい前かというと、紀元前9世紀。おわかりでしょうか、歴史の教科書で何度も見たであろうメソポタミア文明の時代です。その中でも栄えていたアッシリアという場所でつくられた右翼神像がなんと、ハンドバッグにそっくりなアイテムを持っているんですよ。しかもその像だけではなく、似たような時代の遺物にもところどころ登場しています。
みなさんもぜひ「メソポタミア ハンドバッグ」でググってみてください。ほんとだ!ってなりますから。さすがにこのアイテムが革製だったのかどうかは分かりませんが、第8回で紹介したアイスマンも5300年前なので、もしかすると…?なんていうこともあるかもしれません。その後、中世のヨーロッパでポシェットのようなバッグが生まれたり、日本では明治の終わり頃に「オペラバッグ」という、現在のハンドバッグの原型となる観劇用の鞄が流行ったりと、現代に近づくにつれてどんどん普及していったようです。
少し前に世の女子たちのあいだでは「かごバッグ」なるものが流行し、私もひとつ欲しいなあと思っているうちに流行り終わってしまって寂しかった思い出が懐かしくもありますが、今やバッグといえど素材は様々。しかし革バッグが無くなる、なんてことは天地がひっくり返っても無いでしょう。こんなにしっかりしていて、かついろいろな物に合わせやすいおしゃれアイテム、そうそうないですからね。この先の未来も、きっと革のバッグはみなさんの生活に寄り添っていることでしょう。