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る時 れば

さて、前回に引き続き「仕上げ」のお話をしていきましょう。
余談ですが、仕上げって英語で何て言うんだろう?と気になって調べたら「finish」でした。まあ、そうだよな、と思いつつも、感覚的にはfinishと言われると「終わったその瞬間」を指しているような気がしていたので、「終わりの地点に向かう」イメージの仕上げという単語と結びつくというのは、少々不思議でした。ほら、某配管工兄弟のゲームでもタイムアップのとき「フィニッシュ!」って言いますし。うーむ、ニュアンスの問題でしょうか…面白いですね。
以上、ことばオタクのつぶやきでした。

そうそう、仕上げのお話でしたね。
前回のエレガントなものとはうってかわって、ロックな仕上げをご紹介します。
まずは、型押し。個人的にはTHE・革!といった感じで非常に分かりやすい特徴を持った仕上げだと思っています。高温高圧のプレスで革の銀面(表面のことです)に凹凸をつけ、立体感を与える手法です。ワニの皮膚、と言えば想像しやすいでしょうか。以前ご紹介した「エキゾチックレザー」の模様が付けられることが多いそうで、最近は技術の向上もあり天然モノと区別がつかないこともよくあるのだとか。用途は鞄や靴、洋服などさまざまです。

次に、シュリンク。書店バイトの経験がある私としては、シュリンクというと漫画の単行本や雑誌にかかっている薄いビニールフィルムの梱包方法を思い浮かべてしまうのですが、そうではありません(ご存知なかった方、豆知識としてぜひご活用ください)。なめし行程のなかで、熱を加えたり薬品を用いることにより銀面を収縮させ、シボと呼ばれる革に出るシワを付ける仕上げ方法です。皮革の種類や使う薬品によって縮み具合に変化が出るとのことですが、どの場合も革は柔らかくなり、シボが出るおかげで傷も目立ちにくくなります。

そして、シュリンクほど目立ちませんが同じくシボを付ける手法として、もみ革があります。こちらは手や機械で揉むことでシボを出す仕上げ方法で、一方向に揉む「水シボ革」、様々な方向から揉む「八方もみ革」等、揉み方によって名称も多数存在します。ダチョウの革をオーストリッチと呼びますが、その原皮には特徴的なシボがあるそうです。

いかがでしたでしょうか。仕上げひとつとっても新しい用語が飛び出したりして、なんだかテスト勉強をしている気分になりました。冒頭でお話しした英語についてもそうですが、最近「学ぶ」ことに対して密かな楽しみをおぼえています。新しい知識を得るというのは、いくつになっても楽しいですね。……またババくさいことを言ってしまいました。
自分の引き出しをたくさん増やしたいものです。

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