「革なんて良いモノ、私には無縁だわ」と思っていた20代女子が、素材となる皮から革製品まで、ありとあらゆる知識を身につけるうちに革に魅了されていく様子をつれづれと綴っています。「革、いいね!」と思える知識を、あなたにも少しおすそ分け。
約2年間、トップページにずっと書かれていたこのコラムの紹介文です。
どうでしょう?「革、いいね!」と思える知識はきちんとおすそ分けできていたでしょうか。
ちなみに20代女子も、今や30代女子に近づきつつあります。また歳の話かい。それはいいんですよ。
私は革業界に従事しているわけではなく、もともと革製品が特別好きだったわけでもないので、おそらくコラムの中では何回も「なぜこいつが書いているんだ」というようなセルフツッコミを披露してきたことと思います。その都度ノッてくださった方はありがとうございました。コラムがちゃんと続いていたのはその優しさのおかげです。苦笑いで流してくださっていた方、大丈夫ですよ。触れない優しさというものも私は知っています。
兎にも角にも、ドシロートだった人間がこれだけしっかりと革に向き合うなんて夢にも思わなかったので、毎回新しい発見の連続でした。「なめし」を「菜飯」だと思っていたのが懐かしい……。そういった専門用語はもちろん、皮を製品加工するようになった歴史や、牛や馬くらいしか知らなかった革に様々な種類があること。グローブや和太鼓など、そういえば革だった!という製品が意外とたくさんあること。そして、革製品と長くお付き合いしていくために大切なこと。これまで42通りの切り口で革について紹介してきたわけですが、まだまだ全然語りきれていないと感じています。
このコラムは決して、読者に革のプロになってもらいたいための参考書ではありません。
私のようにほぼ革に触れてこなかった(と思っている)方々にとって、少しでも革というものが身近になってくれていたら嬉しい……そんな想いで書き連ねてきたものです。
私が一番感じている自分自身の変化は「視点が変わったこと」です。
今まで特に用事がなければ通り過ぎていた財布売り場にちょっと立ち寄ってみたり、“革の鞄”という認識で止まっていたものに対して「何の革だろう?」と一歩踏み込んだ思考をはたらかせてみたり。かっこつけた言い方になりますが、知ることで見えるようになる世界があるんだなあ、と強く感じました。感じたと言いつつ、実感としては少々薄い部分はあるのですが、もしかするとすでにその感覚が染み付いてきているからかもしれません。そうだといいな。
前回ご紹介したサステナブルな革開発の事例が示すように、革業界もまだまだ新しい風が吹き続けているようなので、話題は尽きません。日常生活のいろいろな場面でも、気づかないうちに革との接点がきっと生まれているはずです。
そんな時はこの「革いいね!コラム」を思い出して、みなさんの頭の中で第44回以降を執筆していただけましたら幸いです。
今までご覧いただきありがとうございました。それでは、またどこかで!