kakeru kawaru
KAKERU KAWARUとは、革製品のデザイナーや革を扱うアーティストにおもしろい革を選び、その革に感性や技術をこめて世界に1つしかないものをつくり、次の時代にものを残す企画です。

#2 デザイナーのジュコさんについて

「ジュコさんのKAKERU KAWARU」第2回目は、デザイナーのジュコさんについてです。 ジュコさんは、2006年9月2日にシューズブランド「JUCO.」を立ち上げました。半年に1度ごとに開催する受注会や、東京・青山のSPIRALをはじめさまざまな場所での展示や出展など意欲的に活動しています。ブランドオーナーでデザイナーのジュコさんは、東京造形大学在学中に靴づくりをはじめました。オリジナルシューズやソックスなどのアイテムを中心に、洋服ブランドのシューズデザイン・制作から撮影用の1点ものなどを手がけています。
JUCO.の靴の特徴は、なんといっても生地や素材の組み合わせで、その世界観を表現していること。そして、足を通した時に分かる履き心地だと思います。「履くと特別な気持ちになる靴ー いつもより少し特別な日、気分を少し上げたい日、大切な人に会う日、JUCO.の靴を履いてほしい。そんな気持ちを込めながら、手の感覚を大事にして、一点、一点、作っています。」というブランドコンセプトの通り、JUCO.の靴は、デザインや機能性を通して自分をどこかへ連れていってくれるおとものような存在です。
そんなジュコさんと吉比産業とのおつきあいは、実はけっこう長いのです。今は吉比産業の近くに工房を構えてスタッフもいるJUCO.ですが、出会いはジュコさんがデザイナーとしてまだまだ駆け出しの頃。吉比産業の橋本と使う革の相談をしたことがきっかけです。ある日、橋本の上司であり、橋本と同じく革を目利きする岩本もJUCO.の感性に注目するようになりました。岩本は言います。「靴のデザインで飯を食っていくのは難しい中で、それを実現できる人」だと。長いおつきあいの中で、JUCO.の靴に吉比産業の革を何度も使ってもらっています。しかし、KAKERU KAWARUのように吉比産業がジュコさんに手がけてもらうための革を選び、製品をつくるということはありませんでした。おたがいにとって、はじめての試み。完成がとても楽しみです。
岩本は「今回ジュコちゃんに選んだ革は3つ。それをどう使ってもかまいません。ジュコちゃんにはジュコちゃんの世界があるので、その世界の中で選んだ革をどう料理してくれるのかが楽しみです」と言います。第3回目は、そんな岩本がジュコさんに選んだ革についてのお話です。