kakeru kawaru
KAKERU KAWARUとは、革製品のデザイナーや革を扱うアーティストにおもしろい革を選び、その革に感性や技術をこめて世界に1つしかないものをつくり、次の時代にものを残す企画です。

#7 ジュコさんのKAKERU KAWARU

前回から時間が空きましたが、「ジュコさんのKAKERU KAWARU」第7回目は、いよいよ吉比産業の革の目利き・岩本さんが厳選した素材をどう料理したのか、そのお披露目です。
今回、緑色をしたヌメ革のベロアを選んだジュコさんが手がけたのは1点ものの靴。量産することを考えずに、「ものを残す」ことでジュコさんの感性や技術を誰かに受け取ってもらえる作品となりました。例えば、底付を行う職人さんも今回の靴は量産するのは難しいかもしれないと言われたそうです。また、1点ものなので、製作工程の中でもジュコさんやスタッフの方が直接手がけられたパートも多く、「吉比産業の岩本さんのための靴」が仕上がりました。それでは、ジュコさんから岩本さんにお披露目してもらいます。
  • ジュコ「(スカーフをめくって)それではお披露目していいですかね。」
  • 岩本「何?今日、俺、誕生日だっけ?笑。」
  • ジュコ「あはは。お店からの差し入れです笑。では、どうぞ。」
  • 岩本「これ、履くね。遊びがいい。これぐらい遊んでるものを履けてしまう俺もいいよね。笑。」
  • ジュコ「あはは。ありがとうございます!」
  • 岩本「このソールに入っている麻はどうやったの?(素材のまとまり方が)規則的だったり、ランダムだったりしているけど。」
  • ジュコ「金型に麻を敷いて、その上にゴムを流し込んでプレスしました。なので、そのままというか、自然というか。今回、ソールに実験的に麻を入れてみて、履いていくと麻が見えてきてグリップにもなるかなと。」
  • 岩本「ちょっと履いてみるわ。」
  • ジュコ「どうぞどうぞー。」
  • ジュコ「かわいい!岩本さん似合いますよ。」
  • 岩本「色の配色が本当にいいね。」
  • ジュコ「スモーキーというか、ペールトーンというか。ちょっと曇った感じのワントーンでそろえてみました。」
  • 岩本「実際こんな感じの方が履きやすいよね。キャラが出ちゃって、何か個性が強すぎても履きづらくなるし。あと、すごく足にフィットする。」
  • ジュコ「履き心地はJUCO.オリジナル木型で、うちのスタンダードラインの中でも一番人気のサイドゴアをベースにしました!」
  • 岩本「側面のここのワンポイントもいいよね。」
  • ジュコ「ここは革とベージュのゴムを合わせた素材を使っていますね。」
  • 岩本「これが革ってのがすごいよね。しっかり革だもん。(靴自体に)女性らしいラインも出てて、海外デビューさせたいね。」
  • ジュコ「お願いします!!」
  • 岩本「ほんとさ、靴づくりって大変だよね。革は気分で選べるけど、靴は気分で作れない。靴作りは積み重ねだもん。」
  • ジュコ「素材がないとそもそも作れませんしね。あと、靴は結構工程が多いので、その素材が適しているかどうか見極める力は重要。使いたい!という気持ちだけでいろいろ選んでしまうと、靴になった時に失敗することも多々あります。」
  • 岩本「工程を知っておかないと、どっかでダメになるよね。俺たちもタンナーのことを知らないと革は選べない。 このことは表には出にくい部分だけど。原皮の状態から革として仕上がるまで、全ての工程を知っているということ。その工程でどのようなことをしているのかを知るというのは本当に重要。」
  • ジュコ「それは靴も一緒ですね。工程のことを知らないと、その作業に携わる人に何をして欲しいのか伝えられないです。例えば、メンズとレディースでどちらが得意な職人なのか。向き不向きもあるので、工程を知り、人を選ぶことも重要です。岩本さんって、人を選ぶ時のポイントってありますか?」
  • 岩本「しゃべっている感覚とか、服装とか、あと雰囲気かな。それで見ている所が多い気がする。ジュコちゃんが思ういい職人って?」
  • ジュコ「いい職人さんって心配性な方や、あとそんなに自信満々じゃない方が多いなって。だから、これ大丈夫?ってまめに連絡をくれたり、ここはこうした方が方が良いかもって気がついて教えてくれたり。最終的な仕上がりのことまでちゃんとイメージしてくれている人じゃないと気づけないのかなと。」
  • 岩本「点で作業するというより、製品になった時のイメージを持って作業をしてくれているんだよね。何を作りたくて、何を売りたくて、どのような生活をしているのか。俺たちもそれらのことを聞いて、初めて革を選べるんだよね。今回の靴もそうだけど、いつものラインナップでも自分たちで手を入れて色んなことをやるじゃない?なかなかそんなことやるとこってないよね。」
  • ジュコ「工夫しようと思って色々やっていくと、自分たちでやらなきゃいけなくて。だから、JUCO.には手が器用な人たちが集まってきますね。」
  • 岩本「そういうやり方で靴を作るって、マネできないよね。」
  • ジュコ「生産のことを考えて、これだったらできるかなってバランスを取りながらやっています。でも、つい手作業パートが増えてしまいますね。」
  • ジュコ「(話は変わって)吉比産業さんの革って、かわいい革や面白い革が多いですよね。」
  • 岩本「他の人が選ぶんだったら、その革はいいやって思ってしまう。自分たちのセレクトが他と違って面白いし、そのようなものがここにあるって思わせたい。うちら素材屋だから。キムタク(木村拓哉)がやっていた「グランメゾン東京」に出ていた、ジビエを獲ってくるあの人みたい。」
  • ジュコ「なかなか食材を出してくれない、あの人ですね。笑」
  • 岩本「革屋は素材屋で、デザイナーは料理人。だから、ジュコちゃんはキムタクね。笑。でも、(料理とは)業界が違ってもやっていることは一緒だと思う。人と人の関係だし、素材をどう料理してくれるのかというか。そのやりとりは、うちらとすごく似ている。だからグランメゾン東京が面白かった。登場人物たちが試行錯誤している姿とか見ていて、やっぱり分かるよね。」
  • ジュコ「私もずっと試行錯誤というか、うねうねしていますね。」
  • 岩本「俺は全然気になんない。ずっとうねうねしてろ!って思う。悪いことじゃないしね。また面白いものを期待しています!」

JUCO.のクツ展

2021-22
AUTUMN-WINTER
COLLECTION

今展は大阪・東京共に、人数制限をしながらの開催となりますため、完全アポイント制となります。ご来場予定の方は、下記URLの予約フォームからアポイントをお願い致します。

https://airrsv.net/juco/calendar

OSAKA

2021.4.1(Thu) - 4.4(Sun)
11:00 - 19:00
(最終日のみ17:00)

場所:Gallery Sasaki

大阪市中央区心斎橋筋1-6-4 佐々木ビル3F

YEAH RIGHT!!・tsutaeの3ブランド合同展となります

TOKYO

2021.4.14(Wed) - 4.18(Sun)
12:00 – 20:00
(最終日のみ17:00)

場所:aiiima 1(アイーーーマ1)

渋谷ヒカリエ8F 8(ハチ) Creative Lounge MOV内

東京都渋谷区渋谷2-21-1

tsutaeと同時開催となります

ONLINE STORE

https://jucojuco.stores.jp/

2021.4.1(Thu)-4.18(Sun) 

展示会の期間中、オンラインストアJUCO.にて新作のご予約を承ります。 ご検討中の方、遠方でお越しいただけない方など、ぜひご覧下さいませ。